TOP研究活動平成16年度活動報告
                2004年度「生体信号計測・解釈研究会」活動報告

第26回研究会は平成16年6月5日に、第43回大会のオーガナイズドセッション「生体情報の無侵襲長期計測」として開催した(参加者40名)。演題と演者は、「高齢者の日常生活における歩数計・血圧計データの検討」(富山大工・中島一樹)、「体調管理を目指したジョギング支援システム」(立命館大理工・牧川方昭)、「自律神経活動の時間的振る舞いを参照することによる聴覚心理実験の評価」(新潟大院自然科学・岩城護)、「住宅内生活行動の長期蓄積情報解析」 (産総研・松岡克典)、「心房細動における心拍ゆらぎ解析の意義」(名古屋市立大院医・早野順一郎)、「生体長期ゆらぎにみられるスケール不変性」(東大院教、科学技術振興機構・山本義春)の6件であった。ここでは心臓や行動に関する生理的パラメータの非侵襲計測に焦点を絞り、実験と解析方法の両面から議論を行った。
 第27回研究会は、平成16年10月8日に、第18回生体・生理工学シンポジウムのオーガナイズドセッション「生体・生理工学のスポーツ・健康・福祉産業応用」として開催した(参加者50名)。演題と演者は、「MEG信号による受動・能動動作前の予測・意志計測」(立命館大理工・松林淳子)、「心臓血管系のストレス応答機構の数理モデル化」(産総研・吉野公三)、「運動機能評価のための計測・解析機能分散型支援システムの開発」(新潟大院自然科学・青木航太)、「オンサイトでの生体情報フィードバックのコーチングへの効果」(新潟大院自然科学・村山敏夫)、「Wingate anaerobic test時における生体機能評価」 (新潟大院自然科学・馬場裕子)、「騎乗型他動訓練機を用いた訓練による筋力増強効果の検討」(松下電工・三原いずみ)、「中高年者のための音符表示演奏システムの開発」(阪大院工・藤本慎一郎)、「寝床内温度FB機能付きエアーコントロール布団の使用が睡眠に及ぼす影響」(三洋電機・岡田志麻)、「エアマッサージが生体に及ぼす影響」(三洋電機・阪井英隆)の9件であった。このセッションは生理学的パラメータ計測から抽出される生体情報の産業応用の可能性についてメーカからの発表者も交えて議論した。我々の蓄積してきた生体情報計測や解析に関する知識が産業にも結び付くことが改めて認識された。
 第28回研究会は、平成16年10月21日に、第18回秋季大会のオーガナイズドセッション「生体システムの詳細モデルと抽象モデル」として開催した(参加者50 名)。演者と演題は、「サーカディアンリズムの結合振動子モデルと時計遺伝子モデルの分岐解析」(徳島大医・吉永哲哉)、「非線形モデルの構造とダイナミクス:Hodgkin-Huxley型モデルはどこまで信用できるか」(阪大院工・土居伸二)、「ERK経路のダイナミクスの解析」(東大院情報理工・尾崎裕一)、「運動制御系における神経興奮・神経回路・筋骨格系の動態モデリングに向けて」 (阪大院基礎工・野村泰伸)、「数理モデルにおける普遍性と個別性」(東大院情報理工・合原一幸)の一般講演5件であった。同じモデルといっても様々な目的や機能がある。ポストゲノム時代のモデルは分子から行動レベルまで折り重なる階層を相手にすることが求められている。本OSでは、そのような要請に対する戦略について実例を交えて議論した。 生体信号処理はあらゆるME分野の根幹をなす技術の一つである。したがって、このような基幹分野を継続的に扱う研究交流の場として機能していく。さらに、ポストゲノムからフィジオームへと至るシステム論的な研究分野を開拓していきたい。