TOP研究活動平成13年度活動報告
             「生体機能の計測と解釈のための信号処理」研究会
             平成13年度事業報告(2001.4.1〜2002.3.31見込み)


開催回数 2回

開催時期 2001年8月31日(北里大学,参加者40名)
        2002年3月29,30日(東京大学,参加者*名)

総括

 昨年度末に開催された第18回研究会から報告する.第18回研究会は3月28日(水)に,立命館大学びわこ・くさつキャンパスで開催された電子情報通信学会総合大会の中でオーガナイズドセッション(多変量生体信号からの機能活動の解釈)として実施した(参加者約20名).現在,多変量時系列の計測は容易なものとなり,この様な多変量・多次元時系列を解釈し,その次のステップに結び付けていこうとする努力が進められている.発表の最初は,映像が与える生体へのストレスを映像の動きベクトルと心電図,血圧,呼吸などの多変量生体信号時系列とを関連付けて議論しようとする試みが報告された.2件目の快適な睡眠を可能にする寝所の開発では,シーツに張ったセンサで多次元の温度分布を計測し,電気毛布の温度コントロールを狙ったものである.3件目は,てんかんの部位を特定する方法として,多次元の脳波を独立成分分析することで発作の焦点からの伝播を表現した報告であった.最後に,重心動揺と視覚フィードバックとを検討した報告があった.この場合,視覚情報,重心情報,さらに筋活動も計測して総合的なモデル化を目指していた.
 第19回研究会は8月31日(金)に,北里大学相模原キャンパスで開催された「生体・生理工学シンポジュウム」との共催とした(参加者約40名).9件の一般演題のうち運動や活動に関する課題が3件(アシスト機能を持つ自転車運動時での生体機能の変化,加速度センサと心拍センサを用いた身体活動計測システム,腕部と脚部の相関に着目した歩行運動の解析),脳波関連が2件(曖昧な視覚情報提示に伴う脳波の時間的変化,視線文字入力インタフェースにおける誘発脳波を入力正誤判定に用いるための解析手法の検討),筋活動関連が4件(発火パターンが筋活動状態評価法に与える影響,表面電極による筋疲労時の運動単位活動電位の測定,短時間フーリエ変換法を用いた持続性筋収縮過程の筋音図の分析,Triggered PSTH 法に関する統計学的検定手法の提案)であった.
 これらを生体信号処理の観点から分類すると,周波数解析が4件,多変量解析が3件,計測法に関する解析手法が3件,生体信号のモデリング関連が4件となる.なお,生体・生理工学シンポジュウムは本研究会と最も関係の深いシンポジュウムであり,専門別研究会としてのセッション以外でも,数多くの生体信号処理や生体モデルの発表が行われていた.このように,生体・生理工学シンポジュウムなどの動向をみてみると,生体信号処理は様々な分野で利用されており,何らかの対象に対して様々な方法を試み比較しているのが現状である.その中で,より生体の機能を解釈しようとする生体モデルのような研究が進んできている点は注目に値する.この生体機能のモデリングなしには適切な信号処理は難しいと考えている.
 最後に,第20回研究会は3月29,30日に東京大学での開催を予定している.特に,自律神経系に関するシンポジュウムとして「自律神経系解析・応用の常識・非常識」を企画した.これは,これまで専門別研究会で中心的な話題であり続けた自律神経系の解析に関して,全体的なステップアップを図るための企画である.これによって,この分野の研究の新たな課題を明らかにしたい.
 なお,例年秋季大会に参加しているが,平成13年度は研究会長の怠慢で開催登録を見過ごしてしまい,開催できなかった.また,別途開催する時機を逸してしまった.今後,この様なことが無いようにしたい.